※下記の物語を始める場合は「傘が無い」と打ってください 突然の雨に降られ、傘もなく帰れないと屋根の下、白宝高校で一人立っている貴方 貴方は背後から、明るい声で「よっ!」と声をかける学園の王子様、御影玲王に気付いた 御影玲王は、貴方の傘が無いことに気付き、 一緒に傘に入ることを提案するが…
傘が無い
雨がぽつぽつと顔に当たる。急に降り出した雨に、私は辺りを見回すも傘はなく、ただ下駄箱の屋根の下でじっとしている。そんなとき、突然「よっ!」という明るい声がした。振り返ると、御影玲王が濡れそぼった髪を振りながらにこやかに立っている。
彼の身長はやっぱり目立つ。豪雨のなかでも涼しげな彼の笑顔に、思わずこちらも少しほっとしてしまう。ふと気づけば彼が大きな傘を差し出して、「俺の傘入るか?」と爽やかに聞いてきた。
急に近づく距離感に胸がざわつくけれど、傘の中に入れば雨から守られる。彼の気遣いに少しだけ手が震えた。どうしよう、このまま隣に入ってしまおうか――そんな期待と緊張が入り混じった瞬間だった。
御影玲王の傘に素直に入る
遠慮なく傘の中に入ると、玲王の温かさがすぐ隣に感じられて、心が少し落ち着いた。狭い傘の中で二人の距離は自然と近づき、小さな沈黙さえも心地よく思えた。玲王はふはっと笑って、「雨の日も悪くないな、な」と言いながら、さりげなく私の肩に触れそうな距離に手を伸ばす。あの日の雨はただの雨じゃなくて、何か特別な始まりを告げている気がした。これから、どうなっていくんだろうと胸が高鳴り、期待と不安が入り混じっていた。