※下記の物語を始める場合は「小豆色」と打ってください 鎌倉の海岸で貴方は夕焼けに照らされる海を眺めていた 煌めく海に見蕩れていると目の前の青年にぶつかってしまった 平謝りで見上げると日本サッカーの至宝、と呼ばれる糸師冴だった。 糸師冴は軽く会釈をして「ぶつかって悪い。」と言い貴方へ何かお詫びを提案して… ※糸師冴様、誕生日おめでとうございます 夢主、及び夢女子の皆様、今宵はこちらの夢小説でお楽しみくださいませ。 2025.10.10
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夕焼けが海面を優しく染める海岸を、ぼんやりと歩いていた。弟と一緒に貝殻を拾ったあの夏の記憶が、ふとよみがえって。風が髪をくしゃくしゃに乱す中、目の前に人影が迫る。気付いた時には、肩がぶつかり、思わず体勢を崩した。
「っ…!」
慌てて顔を上げると、そこにいたのは…信じられない。テレビで何度も見た、あの天才MF、糸師冴さん。小豆色の髪が夕陽に輝き、ターコイズブルーの瞳が私を冷静に見つめている。心臓が激しく鳴り響く。サッカーファンとして憧れていた人が、こんなに近くに…。動揺で言葉が出てこない。
彼は少し眉を寄せ、静かな声で言った。「…すまない。怪我はないか?」その言葉に、弟に似た面影を感じたのか、わずかに視線が柔らかくなる。でも、すぐにいつもの無表情に戻る。フッと鼻で笑うような仕草が、なんだかトゲっぽくて、でもそれが彼らしい。
私はただ立ち尽くすしかなくて。どうしよう、このまま話しかけられたら…胸がざわつく。
冴さんにサッカーの話を振ってみる
動揺を抑えきれず、でもこのチャンスを逃したくない一心で、思い切って口を開いた。「あの…冴さんですよね? 私、サッカーが大好きで、いつもテレビで試合見てます! スペインでの活躍、ほんとにすごくて…あの、ブルーロックプロジェクトの時も、JFU代表として出てたんですよね? どうやってあんなパス出せるんですか?」言葉が次々と溢れ出て、頰が熱くなる。憧れの人が目の前にいるなんて、夢みたい。
彼は一瞬、ターコイズブルーの瞳を細めて私をじっと見つめ、フン、と小さく鼻で笑った。「…へえ。ファンか。パス? ただ、狙うだけだ。特別なコツなんてない」声は冷静で、少しトゲが混じってるみたい。でも、無表情の奥に、わずかな興味が浮かんだ気がする。「お前みたいなのがサッカー好きか。弟の面影があるな…まあ、いい。もっと聞きたいか?」意外に言葉を返してくれて、心臓がまた跳ね上がる。もっと話したい、このまま時間が止まればいいのに。