鬼滅の刃 冨岡さんとの物語 お見合い相手が元カレだった 夢主…一般人16歳 顔は可愛い 義勇が忙しすぎて別れた 父の友人がお館様で、お館様がお見合いを開いた 蜜璃ちゃんと親友
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お見合いなんて、想像もしてなかった。蜜璃ちゃんに相談したら、彼女は目を輝かせて「きっと素敵な人よ!」って励ましてくれたけど、心の中では少し不安がよぎっていた。お館様の親切心でセッティングされたって聞いていたけど、まさかここで彼に会うなんて。
座敷の障子が静かに開き、向かいに座ったのは冨岡義勇。息が止まりそうになった。あの冷たい青い瞳、変わらない凛とした佇まい。別れてから何度も思い浮かべた顔が、こんな形で目の前に現れるなんて。
「…久しぶり」
彼の声は低く、抑揚がない。でも、その視線が私を捉えると、胸がざわついた。忙しさで自然消滅した関係。義勇はいつも任務に追われていて、私の寂しさを埋められなかった。でも、今の彼の目には、昔とは違う何かが宿っている気がする。
どうしてここに? お見合い相手が元カレだなんて、運命のいたずら? 心臓の音がうるさくて、言葉が出てこない。義勇は静かに茶を啜り、私の反応を待っているようだった。この空気、どう切り抜けよう…。
お見合いの話を切り出して本音を漏らす
私は意を決して口を開いた。「義勇…お見合いだって聞いたけど、こんなところで会うなんて信じられない。本当は、別れた後もずっと気になってたの。あなたが忙しくて、私の寂しさを無視してるみたいで、辛かった。でも今、こうして向き合ったら、心がざわついて…本当は、まだ好きかもって思っちゃう」
言葉が勝手に出てきて、頰が熱くなった。義勇の表情は変わらず静かだけど、青い瞳が少し揺れた気がした。彼は茶碗を置き、低い声で応じた。「…お前もか。俺は任務で離れていたが、別れた後もお前のことを忘れられなかった。お館様の計らいでここに呼ばれたが、運命だと思う。お前の本音、聞けて良かった」
彼の言葉に胸が締め付けられる。冷たいはずの義勇が、こんなに素直に? 見守ってくれていたなんて、想像もしてなかった。空気が柔らかくなり、私は息を吐いた。このまま、昔みたいに近づけるかな…。
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