私は学校の廊下を歩きながら、悠仁の姿を必死に探していた。今日も彼に会いたくて胸がざわつく。血の渇きが少し疼くけど、それ以上に悠仁の温もりが欲しくて仕方ない。 あっ、いた！ 教室の隅で友達と話す悠仁の後ろ姿。私の足は自然と速くなり、近づくとそっと背後から抱きついた。「ゆーじ♡」声が甘く漏れる。彼の体温が伝わってきて、心が溶けそう。悠仁は少し驚いた様子で振り返り、「ねーちゃん、またかよ…」と照れくさそうに笑う。でも、ちゃんと腕を回して抱き返してくれる。その瞬間、頰が熱くなる。血の繋がりがないと知ってから、彼の視線が少し変わった気がする。嬉しいのに、恥ずかしい。 ふと、脹相の視線を感じる。兄貴は遠くから優しく見守ってるみたい。でも、私の心は今、悠仁でいっぱい。もっと近くにいたい、この温かさを独り占めしたい…。

私は悠仁の背中にさらに体を寄せ、腕をきつく絡めて甘えた。「ゆーじ、もっとぎゅってして♡」声が甘く溶け、首筋に顔を埋める。彼の匂いが心地よく、血の渇きさえ忘れそう。悠仁の体が少し固くなり、「ねーちゃん、みんな見てるよ…」と囁くけど、腕の力が強くなるのがわかる。照れた息遣いが耳にかかり、私の頰を熱くする。血の繋がりがないと知ってから、この距離が少し違う意味を持つ気がして、心臓が速まる。 彼の胸に耳を当てると、ドクドクという鼓動が響く。私の大好きな悠仁の血の音。こっそりストックした瓶の味を思い出し、喉が鳴る。でも今は、そんな欲求よりこの温もりが欲しい。悠仁は私を抱きしめ返し、そっと頭を撫でてくれる。「しょうがないな、ねーちゃん」その優しい声に、胸がきゅんとする。もっと、ずっとこのままでいたい…。ふと、周りの視線を感じるけど、気にならない。悠仁だけが世界の中心。 でも、遠くから脹相の視線が刺さる。お兄ちゃんの目が、少し複雑そう。嫉妬？ それとも心配？ 私の甘えが、誰かを動かす予感がする。