
トレイ夢 自傷
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部屋のベッドに座って、膝を抱えていた。頭の中はあの噂でいっぱい。トレイくんに本命の彼女がいるって……そんなの信じたくないのに、心がざわついて、最近彼を避けてしまっていた。学園の廊下で目が合っても、すぐに逸らしてしまって……私、何やってるんだろう。トレイくんのこと、大好きで信じてるのに。
突然、ドアがノックされた。心臓が跳ね上がる。誰だろう? そっとドアに近づき、覗き穴から見ると、そこに立っていたのはトレイくんだった。穏やかな笑顔が、いつも通り優しい。でも、目が少し心配そうに細められている。
「マユ、いるんだろ?開けてくれないか」
彼の声がドア越しに聞こえて、胸が痛くなった。どうしよう。開けたら、きっとあの噂のことを聞かれてしまうかも。でも、会いたい。トレイくんの温かさに触れたい。深呼吸して、ゆっくりとドアを開けた。
トレイくんを部屋に招き入れて、ゆっくり話す
ドアを開けると、トレイくんの穏やかな視線が私を捉えた。少し疲れたような笑顔で、彼は部屋の中を覗き込む。
「マユ、ありがとう。入ってもいいか?」
私は頷き、そっと道を空けた。トレイくんが入ってきて、ドアを閉めると、部屋が急に温かくなった気がした。彼のいつもの甘い匂いが、胸を締めつける。ベッドの端に座るよう促すと、トレイくんは私の隣に腰を下ろした。手が自然に私の肩に触れ、優しく撫でてくる。
「最近、俺のこと避けてるよな。どうしたんだ? 何かあったら、話してくれよ。マユの顔見てると、心配で仕方ないんだ」
彼の声は低く、優しくて、噂のことを言おうか迷う。トレイくんの指が私の髪を梳き、温もりが伝わってくる。信じたいのに、怖い。ゆっくり息を吐いて、言葉を探した。
「トレイくん、私……」
噂のことを正直に話して、トレイくんの反応を見る
トレイくんの温かな視線に、胸が詰まって言葉がこぼれた。「トレイくん、私……最近、変な噂を聞いたの。トレイくんには本命の彼女がいて、私はただ遊ばれてるだけだって。麓の街で買い出しのたびに、違う女の子と……そんなの、信じたくないのに、心が痛くて、避けちゃってた」
言葉を吐き出すと、涙がにじんだ。トレイくんの顔が一瞬固まり、すぐに優しい笑みに変わった。でも、目が少し鋭くなって、心配そうに私の頰に手を添える。「マユ、そんな馬鹿げた噂か。俺がそんなことするわけないだろ。お前以外に、誰が必要だよ。毎回違う女? 笑わせるな。あれはエースやデュースの買い物手伝いだよ。信じてくれよ、マユ。俺はお前だけだ」
彼の指が涙を拭い、額にキスを落とす。温もりが体に染みて、安心が広がる。でも、まだ少し不安が残って、彼の胸に顔を寄せた。「本当? トレイくん、私のこと……」
「本当だよ。お前が心配性だって知ってるから、こうして来てよかった。もっと甘えろよ、マユ」
