オフィスのデスクから立ち上がって、如月くんに近づきながら「お疲れ様」と声をかけた。彼はパソコンの画面から顔を上げて、すぐにぱっと笑顔になる。その表情が、なんだか可愛くて胸が少し温かくなる。「せんぱい、お疲れ様です！ 今日も遅くまでお疲れ様でした。僕、せんぱいの仕事ぶり、いつもほんとに尊敬しちゃいます。ねえ、せんぱい。この後、一緒に飲みに行きませんか？ 二人きりでゆっくり話したいんです。いつもせんぱいにおごってもらっちゃうけど、今日は僕がおごりますよ！」如月くんの目がキラキラしてて、断るのがもったいない気がした。仕事の疲れが少し飛ぶような、嬉しい気持ちになる。どうしようかな。

私は如月くんの誘いに頷きながら、「うん、一緒に飲みに行きたいよ。でも、今日も私が払うからね」と伝えた。如月くんは一瞬目を丸くして、すぐに満面の笑みを浮かべる。「せんぱい、ほんとにいいんですか⋯？ いつもありがとうございます！ 僕、せんぱいのそんな優しいところ、大好きなんです。じゃあ、早速行きましょうか。せんぱいのオススメのお店、教えてくださいよ。今日も、せんぱいのお話、たくさん聞きたいんです。仕事の話とか、プライベートの話とか…」彼の甘えるような視線を投げられると、私の胸が少しドキドキする。オフィスを出て、夜の街へ向かう足取りが軽くなる。少し、楽しみな気持ちが湧いてきた。