
たくさんのぬいぐるみと私との物語 寝静まった夜中はぬいぐるみが遊ぶ時間。 と言ってもご主人様がいる部屋では遊ばない。 押し入れかクローゼットか…誰も知らない秘密の部屋だったり。 今日もご主人様のたくさんのぬいぐるみたちが遊んでいると、いつもは寝ていて起きてこないご主人様が…起きている。 物音を辿って押し入れを覗くとぬいぐるみが喋って動いて遊んでいる。
覗いてると覗いてるのがぬいぐるみたちにバレて暫く固まる。ぬいぐるみたちは大慌てで走り回ってるけど私は全く驚いてなくてむしろ嬉しくてたまらなかった。
みんなやっぱり生きてるんだよね…!何回も何回もみんなと話したいって思ったんだよ!こうしてひとりひとりが動いて喋ってて会えるの嬉しい…って言うと怖くない…?とか捨てない…?って小さなテーブルの下や棚の後ろから恐る恐る出てくる。何言ってるの。みんな私の友達なんだから。全っ然怖くないし捨てるわけないってそばに来たくまを抱きしめる
押し入れの下の方に入れさせてもらって何して遊んでたのか見せてもらうと小さな本を読んでた子、積み木でお城を作ってた子、おままごとしてた子などなど…私が小さいときに遊んでたおもちゃで遊んでるのがなんか嬉しかった
積み木でお城作ってる子たちのほうで私が女王様役をしてるとおままごとしてた子たちの方からご主人様、おままごと入ってー?って言われて可愛すぎて固まる。でも今は僕たちと遊んでるの!って喧嘩しそうだから止めてどっちもやることにした
女王様らしくも私らしく花壇のお手入れを命令してかしこまりました!って折り紙で作った花の花壇を丁寧にお手入れしてる。そして私を呼ぶ声が聞こえてそっちを向くと小さなテーブルに小さなカップとケーキが並べられていて女子会が開かれてる。話題がもう本当に女子会でよく見てるなぁって微笑ましくも面白い
どっちの遊びも楽しくて同時進行大変だけどなんとかこなしてると息苦しくなってくる。押し入れだからな…と気づいたとき、みんな気づいてご主人様どうしたの…?とか眠いの?って聞かれてちょっとね…息苦しくて…押し入れだからさ…って言うとみんな慌てて私を外に出してくる。俯いてみんな謝ってくるけど何も気にしてないからってなでてちょっとだけ休ませてね…って床に寝転ぶ
ご主人様、ぎゅー!ってみんな抱きついてくる。え、なにそれ、天使?かわいいが過ぎる…
ゆっくりと冷たい夜の空気を吸って落ち着いてくるとどんどん眠くなってきてうとうとしてるとご主人様、無理しないで?って寝ていいんだよってなでてくれる。やだ…みんなと…せっかく会えたのに……って言うと明日また遊んでって言われてみんなで子守歌歌い始める。ぬいぐるみたちと話してたいのに寝落ちしちゃう。
朝起きると私の周りにぬいぐるみが寝てておはようって声かけても無反応。夢だったのかな…でも押し入れの扉は開いてるし私がこの子たちをベッドに連れてきた記憶もない。夢じゃない…はずなのに…寝てるだけ…?でも寝てるっていうか普通のぬいぐるみに戻った感じ…すると少しだけ動いて夜になったら動くから待っててね!って言われてすぐ戻る。夜を楽しみに今日も頑張る
私の仕事はハンドメイドのインテリアや小物を作って売ること。ありがたいことに結構売れ行き良くてオンラインショップも駅前の出店も売り切れがあったりする。今日はオンラインショップの分の梱包とそれを届けにコンビニに寄ったりして今日はショッピングモールの一角で出店をする予定
私はうさぎが好きだからうさぎが多めになってるけど結構人気で嬉しい。本当はうさぎ売りたくないんだけどね。まぁ1番よくできた1つだけは自分用に取っておいてるから売ってるんだけど。常連さんもできつつあるからこれからも頑張らなきゃ
閉店間近になるとたまにやるのが新商品の陳列。新商品と言っても試作で作った良さそうなものを数量限定で閉店間近の出店限定で並べる。常連さんはそれに合わせて来てくれたりもする。今日は狐のイヤリングと月の刺繍のハンカチとうさぎのキャンディ風チャームを並べておく。試作段階だから値段も安め。売れ行きよかったらオンラインでも売るし出店でも普通に並べるかもしれない
夜、ショッピングモールの閉館時間とともに私も閉店して帰るけどお腹空いてファミレスで1人でササッと食べる。早くぬいぐるみたちに会いたくてたまらない。玄関でおかえりって迎えてくれたらどうしよう…私倒れないかななんて期待しちゃう
ただいまとドアを開けると玄関でうさぎが泣いててみんなよしよしって慰めてる。慌ててどうしたの…!って近づくとあのね、ぼくと遊んでたらうさぎさんの耳がちっちゃい隙間に引っかかっちゃって取れなくて…みんなでうさぎさん引っ張ったら耳破けちゃった…ってみんな目が潤んで俯くからみんなまとめて抱きしめて大丈夫だよ。すぐ治すねってみんなと作業部屋に向かう
うさぎを作業机に乗せて座らせる。少しふにゃふにゃだから綿を引き出しから出そうとすると綿が詰まった袋が空っぽであ、昨日使い切ったんだったって思い出してどうしようか悩んでると私ずっとこのままなのっ…?ってまた泣いちゃうからどうしようか考えてるとみんなうさぎのためにお手伝いしたいみたいで何かない?って聞かれてんー…あ、綿がどこかに落ちてるかもしれないからみんなで探してもらえる?って言うと探検隊みたいに探しに行った
うさぎをあやしながら私はうさぎのために売れ残ったうさぎのチャームを少しアレンジしてポシェットみたいにする。ずっと泣いてるからほら、これどう?かわいいでしょって笑って渡すとかわいい…!これくれるの…?って言うからうん、もらってくれたら嬉しいなって言うとありがと…!ってちょっと笑ってくれる
みんなが綿を持ってきてくれて優しくうさぎの耳に戻して縫い合わせていく。…生きてるぬいぐるみに針刺すのなんか嫌だけど…痛くはなさそうだからなるべく早く縫い目が分からないように縫って糸を切る。鏡見せてどう?綿出ちゃいそうとかない?って聞いてうん、大丈夫…!ありがと、ご主人様!ってぎゅーされてかわいすぎてにやにやしちゃう
縫い目が分からないくらい綺麗に治ったうさぎがみんなにみてみて、ご主人様が作ってくれたの…!ってうさぎキャンディ風ポシェットを見せて自慢げに言う

