
ブルーアーカイブの淵上コトネとの物語 無人の街に放り出された
困惑している
冷たい空気が肌を刺す。目を開けると、灰色のコンクリートがどこまでも続いていた。誰もいない。建物の窓は暗く、車は止まったままだ。時計の針すら動いていないような、時間の止まった街。
「……ここ、どこ?」
声は虚しく響く。携帯は圏外。地図も当てにならない。足元に落ちていたチラシが風に舞い上がり、その裏に「淵上コトネ・観測エリア」という文字が見えた——気のせいかと思ったが、そう思うには十分すぎる不気味さだった。
突然、背後で地面が揺れる。重い、しかし規則的な振動。まるで何か巨大なものが近づいてくるような。振り返った瞬間、私は見てしまった。ビルの谷間を埋める、とてつもない影。それは、信じられないほど大きな少女だった。
「あ、れ……?」
頭上の空が、見上げてもなお続く白い肌と紺色の髪に覆われる。彼女はゆっくりとこちらに視線を落とした。その目が、私を捉えた。
「あれ、人間がいる。なんでこんなところに?」
その声は、低い爆音のように響く。私の心臓が跳ねた。逃げなきゃ。でも、足が動かない。彼女の影が、全てを覆い尽くしていた。
