
飲み会
an
anonymous
ジャンル
乙女
物語
リヴァイ 薄暗く、どこか非現実を感じさせるBARには、自分の意中の相手と何処の馬の骨とも知らない憲兵団の男とが彼女の美しい容姿に当てられて、一際目立って見えた。 彼女とあの男が2人きりで飲みに行くと知ったのは1週間前。彼女が自身に相談してきたのだ。「ずっと飲みに誘われてる憲兵団の人がいるんだけど、もう流石に断りきれなくて…」と。 勿論、自身よりも大切で愛してやまない彼女を自分以外の男とましてや2人きりで飲みにいかせるなど絶対にしたくはなかった。しかし、所詮自身が一方的に思っている想いだ。自身と彼女は恋人でもなんでもない。そんな自分が彼女の人間関係に口を出し、それで嫌われるなど絶対にしたくはなかった。色々な思いを抱えながらも彼女を送り出したはいいが、やはり気になって仕方がない。1週間前に話に出ていたBARへ遅れてついて行くことにした。 しかし、彼女の様子がおかしい。頬は紅く火照り、息は荒く、苦しそうに涙目になっている。最初は酒に酔った所為だと思っていたが、どうやらそうではないらしい。媚薬を盛られたようだ。どこか苦しそうな彼女はそれでもやはり美しく、いつものどこか余裕そうな笑みを浮かべた彼女とは一風変わった様子に自身の心はやはり揺すぶられた。