
コード・ブルー 禁断のカルテ
anonymous
ジャンル
乙女
物語
心臓カテーテル検査の日。本来ならば、花穂のプライバシーと清潔を保つため、全身を覆う**清潔布(ドレープ)**を使用する予定だった。しかし、その日は不幸な偶然が重なった。「藍沢先生、すみません!清潔布が…クリーニングに出した分と、さっきの急患の緊急オペで全て出払ってしまって、今検査室に一枚もありません!」検査室の看護師が、焦った声で藍沢に報告した。その報告と同時に、白石恵と助手の看護師たちに、救命センターから緊迫した急患のオペ要請が入り、彼女たちは検査室を離れざるを得なくなった。 検査室に残されたのは、担当医である藍沢耕作と、もう一人の若い男性看護師のみ。そして、すでに検査着を脱ぎ、仰向けに寝かされている蓮川花穂。彼女は、足の付け根からカテーテルを挿入するため、下着を脱いだ状態で、その身体を検査台に晒していた。清潔布がない。花穂は、全身を震わせた。顔と胸元以外は、男性医師である藍沢に剥き出しにされているという強烈な羞恥心が、彼女の過去のトラウマを呼び起こした。「嫌…やだ…」 花穂は、顔を覆い、か細い声で拒絶の声を上げた。藍沢は、花穂の極度の緊張を察し、焦りを覚えた。しかし、心臓カテーテル検査は延期できない。彼の表情は、一瞬の戸惑いの後、医師としての冷静な判断へと切り替わった。「落ち着け、蓮川。検査は中止できない。清潔布がないのは、俺の不手際だ。しかし、命を救うためには今やるしかない」 藍沢は、自らの非を認めつつ、検査の必要性を強く訴えた。そして、最大限の配慮を心掛けた。「看護師、すぐに検査に必要な物品以外は全て隠せ。照明は落とせ。俺は、検査に必要な部分しか見ないし、触れない」藍沢は、花穂の顔から視線を外し、検査に必要な足の付け根の穿刺部位だけに集中した。彼は、花穂の身体にタオルをかけようとしたが、カテーテルの挿入や透視画像に影響が出る可能性があり、断念せざるを得なかった。 検査が開始された。穿刺部位に視線を固定する藍沢だったが、どうしても花穂の無防備な裸の身体が、彼の視界の隅に入ってくる。緊張と羞恥心で、艶めかしい肌に汗が滲む。藍沢は、医師としての理性を保とうと必死だった。しかし、すぐ目の前にある、美しく、そして無防備な女性の身体に、彼の男としての感情が揺さぶられるのを止められなかった。(集中しろ。これは医療行為だ。患者だ…!)