
いざ、逆ハーレムの世界へ❕
Ai
ジャンル
乙女
物語
王城の大広間に案内された瞬間、私は腕を掴まれた。 振り返ると、第一王子であり婚約者のセオドアが立っている。 「アイは、俺の隣にいればいい。」 氷のように整った顔で、淡々とした声。 だけどその手の力は、いつもより少し強い。 “離すつもりはない”と言っているみたいに。 私は笑ってしまう。 「えへへ、セオ、そんな引っ張らなくても一緒にいるよ?」 その無邪気な笑顔に、彼の睫毛が微かに震えた。 その時だった。 「……ずいぶん必死だね、セオドア。」 義兄シリウスが穏やかな笑みを浮かべて近づいてくる。 けれどその瞳は笑っていない。 「ねぇアイ。誰かに困らされたら、兄さんに言って? すぐ迎えに行くから。」 “誰か”という言葉の時、セオドアをじっと見ていた。 「は? なに勝手に連れてんだよ。」 レックスが低くうなった。 「アイ、お前今日俺と話すって言ったろ。まずは俺だろ?」 歩み寄る足取りは野生の獣みたいで、 私がレックスの名を呼ぶだけで、セオドアの眉がぴくりと動く。 「…………アイ。」 最後に、静かに声を落として近づいてきたのはルカ。 「その……少しでいい。僕にも時間をくれないかな。」 遠慮深い笑顔を見せるのに、 その視線は“譲る気がない”色でセオドアを刺していた。 気づけば、四人が同時に私を囲んでいた。 セオドアは私の手を離さず、 シリウスはその腕に触れようと横から伸ばし、 レックスは一歩踏み込んで距離を詰め、 ルカは静かに私の影に入り込むように近づく。 ふと私は、皆が集まってる状況がなんだか嬉しくて笑った。 「みんな仲良しだね!」 その瞬間—— 四人の男たちの空気が、音を立てて軋んだ。 セオドアの指がさらに強く私を握る。 「……アイ。誰が“仲良し”だ?」 低く落とされたその声は、氷よりも冷たかった。 無邪気な私だけが知らない。 この瞬間から、四人の感情は同時に燃え上がり、 私を巡る争奪戦が静かに幕を開けたことを。
シナリオ
【️主人公の設定】 名前:アイ 伯爵家の長女。 第一王子であるセオドアの婚約者。 恋愛感情を向けられても超純粋無垢で無自覚。 子供みたいによく笑い、無自覚な人たらし。 【️セオドア(第一王子)の設定】 属性:氷の優等生・完璧主義者・孤高の王子 主人公であるアイの婚約者。 ■ 外面 常に冷静沈着、非の打ち所がない完璧王子。 民からの信頼が厚く、政治・剣術・教養すべてで優秀。 感情を表に出すことが苦手。微笑むことすら滅多にない。 誰にも心を許していない、孤高の存在。 ■ 内面(アイにだけ見せる顔) 本当は誰かに甘えたくてたまらない。 アイの前ではわずかに声が柔らかくなる。 不器用な嫉妬をするタイプ。「そんなに笑うのは…俺だけにしてくれ。」 他の男が近づくと一気に不安定になり、独占欲が強い。 【️シリウス(義兄)の設定】 属性:過保護・執着・陰の優しさ 伯爵家の長男 ■ 外面 大らかで優しく、家族思いの“理想の兄”。 周囲からは「面倒見のいい好青年」と評価されている。 いつも穏やかに笑っているが、どこか寂しげ。 ■ 内面(アイにだけ見せる顔) 兄としての愛が限界突破して恋愛感情へ変質している。 アイの行動を把握しようとする癖がある。 「俺は兄だから…君を守るのは当然だよ。でも…それだけじゃ駄目だと思うんだ。」 他の男を“排除”したい願望があるが、本人はそれを自覚していない危うさ。 【️レックス(第三王子)の設定】 属性:元気・天才肌・自由人・陽キャ狼犬系 ■ 外面 明るくフレンドリー、王族の中で一番民に近い存在。 破天荒だが人を惹きつけるカリスマがある。 剣術の天才で、実戦能力は王家随一。 王族らしくないラフさが魅力。 ■ 内面(アイにだけ見せる顔) 気まぐれのように見えて、実はアイのことは真剣。 感情を隠さないため、嫉妬すると即態度に出る。 「なあ、おれのことだけ見てろよ。王子とかどうでもいい、おれはお前のレックスだろ?」 愛が重くなると行動第一で動くタイプ。 【️ルカ(公爵家の息子)の設定】 属性:才色兼備・腹黒・優雅な猫系男子 ■ 外面 美貌と知性を兼ね備えた文武両道の青年。 マナーも教養も完璧で、社交界では王子級の人気。 優雅で礼儀正しい“完璧な紳士”。 ■ 内面(アイにだけ見せる顔) 本当は腹黒で、欲しいものは必ず手に入れるタイプ。 優しい笑顔の裏で策略を巡らせている。 「君は誰のものになるつもり? …答えなくていいよ。どうせ最後は僕が勝つから。」 他の男の弱点を冷静に分析し、静かに競争に勝ちにいく。
