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男性向け
物語
花咲つぼみは花の都パリへ訪れた。しかし親友達とはぐれてしまい道に迷ったとき、謎の少年、オリヴィエに出会う。その二人の関係は運命に変わる。
シナリオ
植物が大好きな少女、花咲つぼみは親友達とファッションショーに呼ばれパリへ訪れた。初めて見る景色、初めて感じるパリの空気、エッフェル塔が見える場所でつぼみは少し遊び心が沸いた。パリは花が色とりどりで綺麗で素敵な場所という噂を聞き、花を探しに町を歩く。しかし、親友達とはぐれてしまい、道に迷ってしまった。花も見つからない、言葉も通じない、
「お花見つかりませんね…もしかしたらパリは花の都じゃないのかもしれません…」
そう呟くが、植物園の園長を勤めているおばちゃんが、パリは花がとっても素敵な場所と教えてくれたことを思いだした。
「そっ…そうですね、頑張って探しましょう…!!」しかし来たことの無い道なんて知るはず無い。
「それにしても、ここはどこですか…?」
今にも泣きそうな顔でそう呟いた。
すると、建物の屋根から何か人影が見えた。見上げると、何かがつぼみの方へと向かって落ちてくる。
「へっ…!?」
つぼみの驚きの声と次の瞬間、屋根から落ちてくる何かがつぼみのすぐ横を勢い良くすれ違った。驚きで腰を抜かしたつぼみはその場で座り込む。すると誰かに肩を捕まれた。
「ごめん、大丈夫?」
振り返ると、さっき屋根から落ちてきたのは、銀髪に金木犀のように光る金色の瞳、そしてものすごく長い白いマフラーをした少年だった。
「道をお聞きしてもよろしいですか…?」
つぼみは、今にも泣きそうに涙ぐんだ顔で少年に聞く。
少年は呆れたようにため息をついて答える
「真っ直ぐ行ったら大通りだよ...」
「は…ありがとうございます…!!」
つぼみは少年に感謝を伝えた。
少年が立ち去ろうとすると急に倒れそうになる。
「大丈夫ですか!?あなた傷だらけじゃないですか…!!どこかで治療しないと...」
つぼみは倒れそうになる少年の腕を掴み受け止める。
「別に平気だから...」
少年はそう言って再び立ち去ろうとする。
「あ、ちょっ…ちょっと待って下さい!!そもそも屋根から飛び下りて平気なわけありません!!」
つぼみは少年の前に立ち引き止めようとするが、少年はつぼみを通りすぎた。
「あんたには関係ないだろ…」
少年はそう呟いたが、つぼみは見過ごせず、少年を引き取った。親友達に事情を話し、少年のことを受け入れてもらえた。
それが二人の出会いだった。
庭の木下のベンチでつぼみと少年は腰をかける。
「警戒心とか無いの?どうして赤の他人を気安く受け入れるんだ?」
少年はつぼみに聞く。
「そうですね、袖すり合うも多生の縁って知ってますか?」
「知らない…」
少年はぶっきらぼうに答えた。
「日本のことわざなんですけど、道で袖がちょっと触れ合うような些細な出会いも、生まれる前からの運命という意味です」
「大袈裟だねぇ…」
少年はぶっきらぼう呟いた。
「はい!!でも私は好きですよ、何も知らない人同士が偶然出会って、お互いに影響し合いながら変わっていくとしたら、どんな出会いも、意味のある大切なものだと思います」
「僕と、あんたも…?」
少年は、横目でつぼみを見つめながら言った。
「もちろん!!私と…」
つぼみは少年の本名を知らなかった。
「好きに呼んで良いよ…」
少年はそう呟いた。つぼみはふと金木犀の花が目に移った。
「オリヴィエ…オリヴィエではどうでしょうか?あなたの、あだ名です…!!」
つぼみは照れくさそうに少し歯を見せるように笑った。
「金木犀?」
少年が聞く。
「はい!!どうですか?あなたの心の花も金木犀だったので…」
「単純…」
「あっ、そっ、そうですね、もうちょっと凝ったものを…」
つぼみは他の名前を考え込もうとすると少年が言った。
「それで良いよ…」
すると少年がベンチから腰を上げ、軽く腕のストレッチをしながら言った。
「好きに呼べって言ったじゃん…!!」
少年の言葉につぼみは微笑みながら言う。
「オリヴィエ?私のことはあんたじゃなくて、つぼみって呼んでくださいね!!」
「考えとく…」
そして少年は金木犀と言う意味で「オリヴィエ」と名付けられた。
数日が経ち、無事ファッションショーも終え別れが近づいてきた。花びらが舞う日差しが強い中で、オリヴィエの白いマフラーがふわりと風に当たって揺れる。
「行ってしまうんですね…」
「うん…」
「離れるのは、寂しいです…」
「僕も同じ気持ちだよ…」
「オリヴィエは私のそばにいてほしいです…なんてわがまま過ぎますか…」
つぼみが涙ぐんだ顔で呟いた。するとオリヴィエが手を伸ばし、つぼみの頭を自分の方へ寄せる。私よりも幼い、オリヴィエのあたたかくて小さな手。お互いの額を優しく寄せ合い距離が縮まる。すると、つぼみの細い首にふわっとあたたかいのを感じた。
「オリヴィエ…?」
「受け取って、つぼみ」
オリヴィエはそう言いながらつぼみの細い首に自分が着けていた白いマフラーを巻いて上げた。
「こんな大切なもの受け取れません!!」
つぼみは真っ直ぐな目でオリヴィエを見つめながらそう言った。
「うん…僕がつぼみの身長越えたら、このマフラー受け取りに来るから、それまで待ってて…」
つぼみはオリヴィエの言葉に一気に涙が溢れ出てくる。
「僕のこと忘れないで」
オリヴィエはそう言いながらつぼみを抱き寄せた。オリヴィエの腕の中でつぼみは沢山泣いた。
「約束しよう」
「はい、約束です…!!」
数年後
桜の木下である女性は白いマフラーを首に身に付けて待っていた。
「ただいま…」
ある一人の青年が女性に話しかけた。
「お帰りなさい…」
長い髪の毛がなびく
「ずいぶん大人になりましたね」
「時間かかったけど、つぼみより大人になったよ…」
「待ってましたよ…オリヴィエ」
オリヴィエはつぼみに近寄った。今までに味わったことの無い、温もりのあるハグをする。
あんなに幼く、小さくて可愛かったオリヴィエが今では、つぼみより大人になり、一人前の男性になっている。
「約束通り、戻ってきたよ…」
懐かしい金木犀の香り。オリヴィエはつぼみの手を握った。
オリヴィエは優しく微笑んだ。
「つぼみ、これからはいつまでも僕と一緒に居てほしい」
「っ…はいっ…!!」
涙を流し、力いっぱいのつぼみの声がオリヴィエの心に響く。
桜の花びらが舞う木下で、二人はお互いの熱い唇を重ねた。
つぼみの薬指が白く光る。
「ねぇねぇ、パパとママはどうやって出会ったの??」
無邪気に笑う子供の声が聞こえる。
「私たちは、お花の町で出会ったんですよ、金木犀という花がとっても輝いていて綺麗な場所なんですよ」
「きんもくせい?ってどんなお花?」
「パパの瞳みたいに金色に輝く、綺麗なお花なんです」
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