
鬼滅の刃
anonymous
ジャンル
BL
物語
夢小説です
シナリオ
設定(補足)
過去:鬼殺隊・神代律 • 階級:甲 • 任務中、単独で上弦の参・猗窩座と交戦 • 水の呼吸を完全に使える • ほわほわしているが、剣士としての責任感は強い
現在:元・鬼殺隊 • 剣士として戦えない身体 • 任務から外れ、正式に隊を離脱 • 夜にだけ、体調が良ければ川辺に出る
猗窩座は 両方の律を知っている。
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シナリオ
###「同じ夜、ちがう立場」
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【過去】鬼殺隊だった頃
夜の森・任務中
血の匂い。
律は刀を構えながら、少し困ったように笑っていた。
律 「……こんばんは」
猗窩座 「随分と余裕だな、水の剣士」
律 「えっと、正直に言うと…… あんまり余裕ない」
猗窩座 「ならば、なぜ笑う」
律 「怖いとき、顔が固まるの苦手で」
水の呼吸・壱ノ型。
猗窩座が弾く。
猗窩座 「いい動きだ。 人で終わるには惜しい」
律 「それ、よく言われるけど……」
息を整える。
律 「俺、鬼にはならないよ」
猗窩座 「なぜだ」
律 「人でいるほうが、 誰かの心配できるから」
猗窩座の拳が止まる。
猗窩座 「……理解不能だ」
律 「うん。 理解されなくていいやつ」
次の瞬間、激突。
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【現在】鬼殺隊じゃない今
夜の川辺
律は刀を持っていない。
代わりに、薄い羽織。
石に座って、川を見ている。
律 「……あ、来た」
猗窩座 「……ああ」
律 「今日は寒いね」
猗窩座 「……昔なら、構えただろう」
律 「うん。 今はもう、できない」
猗窩座 「後悔は」
律 「ないよ」
即答。
律 「戦えなくなって、 やっと気づいた」
猗窩座 「何にだ」
律 「守るって、 戦うだけじゃなかった」
水の音。
猗窩座 「……お前は変わらない」
律 「そう?」
猗窩座 「剣を持っていようが、 持っていまいが」
少し間。
律 「でもね」
律は笑う。
律 「今のほうが、 君とちゃんと話せてる」
猗窩座は何も言わない。
律 「剣、あると どうしても切っちゃうから」
猗窩座 「……俺をか」
律 「うん。 たぶん、心も」
沈黙。
猗窩座 「……戻りたいとは思わないのか」
律 「戻れないから、 考えない」
くすっと笑う。
律 「今は、これでいい」
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【重なり】
猗窩座は、二つの夜を思い出す。
剣を構えていた律。 川を見ている律。
どちらも、 同じ目をしていた。
恐れず、 縛らず、 それでも、逃げなかった目 設定:鬼殺隊離脱の理由 • 上弦の参・猗窩座との戦闘で ・胸部〜腹部を貫かれる重傷 ・肺と内臓に不可逆の損傷 • 水の呼吸を使うと、呼吸困難と失神の危険あり • 継続戦闘は「本人の命に直結する」と判断される • 本人は復帰を希望したが、産屋敷の命令で正式離脱
※「逃げた」「裏切った」ではない ※ 最後まで鬼殺隊の人間として扱われている
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シナリオ
###「剣を置いた日」
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蝶屋敷・夜
障子越しの灯りが揺れる。
律は布団に座り、膝の上に刀を置いていた。
律 「……まだ、振れます」
息を吸う。 少し、苦しい。
胡蝶しのぶ 「“振れる”と“戦える”は違います」
律 「でも——」
産屋敷耀哉 「神代律」
静かな声。
律は背筋を伸ばす。
産屋敷 「君は、十分に戦った」
律 「……まだ、役に立てます」
産屋敷 「君が戦えば、 君を守るために他の隊士が死ぬ」
律の指が、刀の柄を強く握る。
律 「……それは、いやです」
一瞬、空気が止まる。
産屋敷 「でも、君は鬼殺隊を離れなさい」
律 「……はい」
返事は、思ったより静かだった。
胡蝶しのぶ 「納得してない顔ですね」
律 「……ちょっとだけ」
苦笑する。
律 「でも、守れない剣は、 持ってても危ない」
刀を見る。
律 「水は、無理に逆らうと、 壊れちゃうから」
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数日後・川辺
律は、まだ隊服を着ている。
羽織の下で、 刀だけが、少し重たい。
そこに、猗窩座が現れる。
猗窩座 「……その装い」
律 「あ、これ?」
袖を見る。
律 「もうすぐ、着れなくなる」
猗窩座 「……負けたのか」
律 「ううん」
首を振る。
律 「終わっただけ」
猗窩座 「意味がわからん」
律 「戦えなくなった」
あっさり言う。
律 「だから、鬼殺隊じゃなくなった」
猗窩座の闘気が、わずかに揺れる。
猗窩座 「……じゃあ、なぜここに来る」
律 「君に、伝えたかった」
猗窩座 「何をだ」
律 「もう、斬れないってこと」
間。
猗窩座 「……安心したと言えば、 お前は怒るか」
律 「怒らないよ」
笑う。
律 「それで、正しい」
風が、川を渡る。
猗窩座 「……では、お前は何になる」
律 「うーん……」
少し考える。
律 「ただの、神代律」
猗窩座 「……弱くなったな」
律 「うん」
即答。
律 「でも、息はできてる」
胸に手を当てる。
律 「それで、今は充分」
猗窩座は何も言えなかった
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