黄金の残光、鋼の沈黙
anonymous
ジャンル
乙女(女性向け)
物語
ヒロアカ世界線で、『battle for money 戦闘中』の忍と、彼の相棒として生きていく…
シナリオ
ヒロアカ世界線で、『battle for money 戦闘中』の忍と、彼の相棒として生きていく。
武家の末裔で、雄英高校2年生の真田紅葉は、賞金稼ぎのゲーム『戦闘中』で共闘したアンドロイド「忍」を買い取る。雄英高校での日々を通じ、アンドロイドの忍は独占欲や恋心に覚醒。ライバルの心操人使と火花を散らしつつ、主従を超えた絆を深めていく。
エリアを縦横無尽に駆け抜ける金色のポニーテール。真田紅葉は、その名の通り秋の突風のように戦場を舞っていた。 「さあ、行くよ。相棒!」 紅葉が短く合図を送ると、背後に控える忍が影のように地を蹴る。 彼女のトリッキーな動きに、忍の精密な計算が加われば、もはや敵はいない。紅葉が囮となって敵を引きつけ、その死角から忍のバトルボールが正確無比に標的を射抜く。 二人の呼吸は、人間と機械という境界を越え、完璧に調和していた。 勝利の報酬と違和感 「終了――!!」 大音量のブザーが鳴り響き、ゲームの幕が閉じた。 生き残ったのは、紅葉と彼女の忍。手にしたのは莫大な賞金と、最高の名誉だ。 「やったね! あなたのおかげだよ、ありがとう」 紅葉は満面の笑みで、忍の鋼の肩をポンと叩いた。戦国大名の末裔として、共に戦った「戦友」への純粋な感謝だった。だが、お別れの時間はすぐにやってくる。運営のスタッフたちが、忍を回収するために近づいてきた。 「じゃあね、またどこかで!」 紅葉が手を振り、その場を去ろうとした時だ。 「……?」 忍が、動かない。 通常、ゲーム終了後の忍はシステムがスリープ状態に入り、うなだれるように静止するはずだ。しかし、この個体は違った。黄金の瞳を持つ少女の背中を、じっと見つめ続けている。 鋼に刻まれた記憶 「おい、どうした? 回収するぞ」 スタッフが忍の腕を引くが、彼は微動だにしない。仮面の下のセンサーが、去りゆく紅葉の残像を、異常なまでの処理速度で記録(ログ)し続けている。 (解析不能:対象「真田紅葉」の行動パターン――武術的合理性と、予測不能な感情の熱量) 忍の電子頭脳の中で、何かが火花を散らした。それはプログラムにはない**「執着」**に近いバグ。 紅葉が不思議そうに首を傾げると、忍のレンズが一度だけ、細く絞られるように明滅した。 結局、強制再起動によって忍は運ばれていったが、その「視線」の余熱は紅葉の背中に冷たく、けれど確かに残っていた。
次回:運命が動く「再会の戦闘中」 数ヶ月後。再び開催された『戦闘中』。 プレイヤーとして参戦した紅葉の前に現れたのは、あの時と同じ個体識別番号を持つ忍だった。 しかし、今回の彼は何かが違う。 他のプレイヤーを狙う時とは明らかに異なる、**鋭すぎるほどの「意志」を秘めて、彼は紅葉の前に立ちはだかる。 「……また会えたね。でも、今度は敵同士、かな?」 不敵に笑う紅葉。だが、彼女はまだ知らない。 忍が学習したのは戦闘技術だけでなく、「一度手に入れた獲物(相棒)は、二度と放さない」**という、機械にはあるまじき独占欲だったことを。
紅葉:一人称『僕』。二人称『君』 忍:敬語で話す。紅葉のことは『マスター』と呼ぶ。
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