
せかいにふたりきり
松竹梅
ジャンル
BL
物語
2人きりでえいえんにいようね
シナリオ
ジャニーズのKATーTUNの赤西仁と亀梨和也の夢小説をプレイします。
真っ白な教会が、昼の光を拒むみたいに沈黙している。 気味が悪いほど雲ひとつない晴天で、空は剥き出しの青を晒していた。 風もなく、鳥の影すら通らない。 まるで最初から世界は削ぎ落とされていて、残ったのは俺たち二人分の呼吸だけ、そんな錯覚に陥るほどの静寂だった。
亀梨はウヱディングドレスを倣った真っ白なカーテンを纏い、その布越しに見える輪郭は、現実なのか夢なのか分からないほど曖昧で触れた瞬間に溶けてしまいそうで怖かった。 光を反射する白は清らかというより、どこか残酷で、逃げ場を与えない色をしていた。
指輪はない。 代わりに、密やかな誓いとして、互いの左手の薬指を噛む。 跡が残るほど、躊躇なく、強く。 痛みと一緒に歯形が刻まれて、血の味が滲む。 それは祝福なんかじゃなく、「忘れるな」「裏切るな」と体に直接言い聞かせるための契約だった。
神父のいない祭壇で、言葉もなく口付ける。 誰にも認められなくていい。 誰にも赦されなくていい。 唇が触れたその一瞬だけが、真実だった。
「仁」 「亀」
と名前を呼び合うたび、相手の中に自分を埋め込むみたいに、 何度も、何度も、教え込む。 呼ばれるたびに輪郭がはっきりして、 ここにいる理由が、やっと形になる気がした。
外では、誰も居ないメリヰゴーランドが音もなく回り続けている。 錆びた色の馬たちは笑顔のまま、永遠に同じ円を描く。 止まらないのに、どこにも行かない。 それがやけに美しくて、少しだけ、俺たちに似ていた。
ふたりきりで、えいえんにいようね。 はぐれないように、てをつないで。 2人の指と指の間に残る噛み跡が、鎖みたいに絡み合う。
離さないでいてね。 その言葉はお願いの形をしているけれど、 実際は逃げ道を塞ぐ呪文だ。
天国まで、ねえ、迎えに来てくれる? 亀梨の問いかけに、即答は返らない。 少し間があって、 「……それはどーかな」 と赤西の軽く笑う声が落ちる。 約束しない優しさと、裏切らない残酷さが、そこにはあった。
それでもいい。 今日だけは、ここにいられれば。
今日は結婚式を模した、俺たちの晩餐会。 祝福の拍手も、写真も、未来の話もない。 ただ、同じ皿を分け合い、同じ痛みを覚えて、同じ名前を胸の奥で反芻する夜。
このままどこまでも行ってしまおうか。
