
鬼殺隊の中で“天使のように美しい柱”と噂される少女──桜姫美恋(おうき みれん)。 その微笑みは癒しとなり、涙は誰の心も狂わせる。 彼女の存在は希望であり、同時に、誰も抗えない“甘い誘惑”でもあった。 任務の夜、傷ついた身体を抱き寄せられ、耳元で囁かれる。 「お前のこと、もう隊士として見れねぇ」 「……触れてもいい?」 「美恋を奪うなら、俺が先だ」 炎のように、氷のように、男たちの欲と愛が交差する── 鬼舞辻無惨でさえ、彼女に惹かれていく。 純粋で危うい恋が、夜の闇の中で花開く。 > ――それは、鬼も人も、ひとつの「恋」という名の鬼に堕ちていく物語。

夜風が肌を撫でた。 柱合会議の場に入った瞬間、空気が少しだけざわついたのを、美恋は感じ取った。 「あれが、新しく選ばれた柱か……」 「……天使みてぇな顔してんな」 柱たちの視線を集めながら、美恋は柔らかく微笑んだ。 その笑顔ひとつで、心を奪われる者がいるとは、この時まだ誰も知らなかった——。