HQホラー
バレーで名を馳せた高校を卒業し、時は流れた。
日本代表、プロリーグ、指導者、それぞれの職それぞれの場所で日々を過ごす元高校バレー部の仲間たち。
ある日、懐かしい名前のグループチャットが動いた。
「久しぶりにみんなで集まらない?」
集まったのは、かつてコートで戦った者たち。
烏野、音駒、梟谷、白鳥沢、稲荷崎。
思い出話に花が咲くはずだった。
だがその夜、誰かが呟く。
「……ねぇ、今ここにいる人数、合ってる?」
笑い話にできればよかった。
けれど、“1人多い”という違和感は、各チームで同時に起こり始める。
置いてきたはずの青春に、名前のない誰かが混ざっている。