
チェンソーマン
「こんにちは…セイナちゃん、で合ってるかな?」 目の前には赤髪の三つ編み女。誰?私はついさっき表にでてきたのに。世界が眩しい。 「私はマキマ。公安のデビルハンターをやっているの。セイナちゃんは悪魔と契約しているから是非公安にきてもらいたくてね。」 「セイナ、こいつのことは従った方がいい。」 神様が囁く。私はなにがなんだか分からないので頷いておく。 「うん。ありがとう。じゃあ行こうか。」 私はマキマのあとをついて行く。 ______ 「セイナちゃんは…記憶がないんだっけ?」 「ん」 「そっか、じゃあまずはお勉強から始めよう。」 私はその日から公安の人達が勉強を教えてくれるの勉強をした。ただ最低限のことのみ。私は契約悪魔の影響で記憶が抜け落ちやすいらしい。 ある程度自我が芽生えてきてから日記をつけ始めるようになった。出会った人の名前、その日起きたことなど。 公安にきて1年程だろうか、実践練習も始まった。訓練を重ねるうちにどんどん体の使い方が分かっていった。楽しい。 それから更に2年ほど、私はマキマさんに呼びだされた。 「セイナちゃん、これからは対魔4課にきて一緒に働こう。」 「りょーかいです」 私はあの日から神様が言ったようにマキマさんに従ってきた。別にデメリットもないし。

天使と地獄で
ここは…地獄。 私たちはサンタクロースによって地獄に落とされ両腕を切られた。 隣の天使くんは怯えた様子で黙っている。ほかの魔人や悪魔たちも怯えている。 「天使くん…?」 「ここ…地獄だよ。もう僕たちは終わりだ…」 地獄?地獄って、あの地獄?あー、私たち死んじゃうのかな。 天使くん、好きだったなあ。優しくて、気遣いできてかわいくて…。アキくんとだけど3人のバディになれて、甘いものたくさん食べたっけ。楽しかったなあ。 「○○、なんで泣いてるの?」 天使くんのその声で私は現実に引き戻された。 「天使くん、私ね、天使くんのことが好きなの。多分もう死んじゃうと思うから、今言っちゃうね。」 そうすると天使はくりくりとした目を大きく見開いた。 「なに諦めてるのさ!きっと大丈夫__」 私は天使くんに口付けした。今までアイスたくさん奢ってたし、これくらいいいかな。 「…なんで触った、なんで触ったんだ!!僕は…好きな人の寿命なんて吸い取りたくないんだ。だから…」 ああ、両思いだったんだ。悔しいな、悔しい。 「私はもう死ぬよ。だからさ天使くんに触って死にたい。」 そういって天使くんにくっつく。最後くらい好きな人といたい。ねえ、私は天使くんに触れられて幸せだよ。なのに、 「なんでそんな悲しい顔をするの?」 「大丈夫。大丈夫だよ。今まで楽しかったね。天使くん、大好きだよ。来世では、また……」 そういって私の意識は無くなった。

ハロウィンとお菓子と天使
今日はハロウィン。都心は仮装した人でいっぱいだ。 隣には大きな白い羽根を揺らす天使くん。普段は人の少ない場所を巡回するけど、今日くらいはいいよね。 「天使くん、大丈夫?人多いから気をつけて」 「……つかれた」 「あとでお菓子あげるから」 そう言うと、渋々ついてくる。小さい体で頑張る姿、かわいい。 パトロールは何事もなく終了。帰宅の準備をしていると、後ろからブレザーを引かれた。 「お菓子……」 上目遣いの天使くん。しまった、手持ちがない。 「今日うち来る?」 「……は?」 言い方が悪かった! 「お菓子あるから!」 顔が熱い。セクハラじゃないよね!? 「……行く」 え、来てくれるの…? 帰り道、沈黙でも気まずくない。私たちは長年バディを組んでいるから。いつもより天使くんの足取りが軽い気がした。 「ここだよ」 鍵を回すと、天使くんは静かに入ってきた。 「ここ座ってて!お菓子取ってくる!」 箱いっぱいの菓子を抱えて戻ると、天使くんの目が丸くなる。 「どうしたの、それ」 「近所の子に配るんだ」 「ふーん、キミ優しいもんね」 私はチョコをひょいと彼の口に。 「んっ、危ないじゃないか!」 「へへ、いたずらだよ」 むっとした顔。怒ったかな…と思ったとき。 「……長生きしてほしいんだ」 小さすぎて聞こえなかった。天使くんはただお菓子を食べ始める。 もぐもぐ、もぐもぐ。リスみたい。かわいくて笑っちゃう。 ──この時間、ずっと続けばいいな。

狐の標的
お互いの息の音が響く。 私が相手の攻撃を避けそのまま転ばせる。 「「ありがとうございました。」」 ここは2課の訓練施設だ。 汗を拭っていると知ってる声が私を呼んだ。 「よー、○○じゃないか。」 「野茂さん!お久しぶりです。」 「半年ぶりか?元気そうでなにより。」 (それにしても美人になったな…) 私と野茂さんは長い付き合いだ。悪魔のせいで家族や家を無くした私は公安2課の人たちにお世話になった。その光景がトラウマになってしまって学校にいけなかった。まだ幼かったのもあり勉強や体術を教わったりしたのだ。 そのあと私は公安4課に配属した。身体能力が高かったからだろうか、誘われたのだ。 だけど私は2課の人たちが好きだからたまにこうして2課の訓練施設に来るのだ。 「おー○○ちゃん。かわいくなったね」 副隊長もきて私の頭をぽんぽんと撫でる。お久しぶりです、と挨拶をする。 「よかったらこれから俺たちで飲み行かない?」 「いいじゃないっすか!な、○○!」 どうやら決定事項のようだ。たまにはいいかな。私は頷いた。
