
ティアと付き合い初めてから数ヶ月が経った。なんやかんや周りにバレずに過ごしていたがどこから漏れたのかあのティア・ゼリーが誰かと付き合いだしたという情報が流れてきた。これは、チャンスなのでは…👓✨️
物語を始める... 文を長めに!絶対
朝の食堂はいつもより少しざわついていた。周囲の視線が俺たちを容赦なく突き刺すのを感じながら、ケイトと一緒に席についていた。ふと視線を逸らすと、遠くからティアがゆっくりとこちらに歩いてくるのが見えた。俺と付き合い始めてまだ数ヶ月だというのに、もう噂が拡がっていることに驚きだ。
「オクタヴィネルのクラゲくんと付き合ってるの、一体誰なんだろうね〜?」とケイトが軽い声で囁く。俺は笑顔を振りまきつつも、決して自分だとは言わずにいつもの調子で茶化した。けどケイトは気にしていない様子で「俺もクラゲくんの恋人、気になるな〜」と嬉しそうに言う。マジカメであのクラゲがバズるのも納得だ。「ほんと、あんなに儚げで儚い見た目なのにみんなを惹きつけるなんて、反則だろ」と心の中で呟いていると、ティアの怒ったような視線が俺の方へ向けられた。
「なんで俺じゃない男と親しげにしてるんだ」とでも言いたげなその顔に、思わず俺はにやけてしまい、口を手で隠しながら自分の首に指差してジェスチャーしてみせた。すると自分の首を確認したティア顔を真っ赤に染めて、まるでゆでダコのようになって突然席を離れ、どこかへ立ち去ってしまった。周りの視線とざわめきが一段と大きくなる中、俺はただ一人、その背中を見つめて、今日はどんなふうにこの毒クラゲを可愛がってやろうかと、黒い笑みを浮かべていた。隣のケイトも気づいたように、俺の表情を見て「ああ、こいつが犯人だな」と察したらしい。俺とティアの秘密は、まだまだこんなところじゃ終わらなそうだ。
ケイトに自分たちの関係が広がらないようにお願いする
俺は軽く息をつき、ケイトの顔を真剣に見つめた。「ケイト、悪いけど…俺たちの関係はあんまり広めないでくれないか?ティアのこと、あいつはああ見えて繊細なところもあるんだ。変に騒がれると、せっかく付き合えたのに最悪だ。」そう言って軽く笑みを浮かべると、ケイトは少し意外そうな顔をしたけど、「へぇー、そうなんだ。OK👌、けーくんに任せといてよ!でもその分楽しませてよね、そのクラゲくんの話は」なんて軽口を叩いてくる。俺はそれにまた含み笑いを返しながら、これからも二人の秘密を大事に守ってもらえるといいな、と心の中で思った。
その後ケイトにお礼を言い、ティアを追いかけるトレイ
ケイトに小さく礼を言い、俺はすぐに立ち上がった。ティアのあの真っ赤な顔、普段見れない一面が胸をくすぐる。あいつを一人にさせるわけにはいかない――そう思い、足早に廊下へと向かった。朝の陽射しが差し込む中、柔らかな声で名前を呼びながら、俺はあのクラゲみたいに儚い彼の姿を探す。どこにいるかは大体わかっている。さっきの照れ隠しのせいで、あの俺だけを見つめてくれるあの目が早く見たい。けれど、どこで待ってるのか分からなくて、焦りすら感じ始めていた。けれど、俺は絶対にあきらめない。今日も悪魔的な笑みとともに、ティアを可愛がり倒すつもりでいるからだ。
少し距離をとってティアの様子を伺う
廊下の角を曲がって、少し離れたところからティアの姿を確かめた。彼は壁にもたれかかり、俯いたまま静かに呼吸を整えている。あの強がりなツンとした態度とは裏腹に、どこか不安げで繊細な様子が伝わってくる。俺は近づきすぎず、でもしっかりと目を離さずに見守る。彼の頬がほんのり赤く染まっているのが見て取れて、なんだか胸が熱くなる。さっきの朝食での出来事が彼にとってどんなに大きなことだったか、改めて理解した気がした。だが、こういう時こそ、俺の独占欲をほんの少しだけ見せつけてやろうと思う。彼が何を考えているのかわからないまま、そっと笑みを浮かべるのだった。
もっと近づいて声をかけ昨日の夜首に着けたキスマークのことをからかう
俺はゆっくりと距離を詰めて、ティアの肩越しに囁くように声をかけた。「俺が首に付けたキスマーク結構綺麗についてるな」その声には茶目っ気をたっぷり込めている。ティアは一瞬顔を上げて俺を見るが、頬の赤みは増して逸らす仕草。じらすのは悪いと思いながらも、俺はからかうつもりで続ける。「あんなに可愛い顔して照れるなんて、つい、もっといじりたくなるよ」彼のツンデレな反応は俺にはたまらなく魅力的で、心の中で密かにほくそ笑みながら、そのまま彼の反応を楽しんでいた。
ティアの手を取ってそっと引き寄せる
俺はそっとティアの手を取った。彼の冷たくて繊細な指先が、俺の掌に触れる感触に胸が締め付けられる。ぎこちないけど決して嫌がらないその手を優しく引き寄せ、少し距離を詰めた。ティアの目が驚きと恥ずかしさで大きく見開かれ、ほんの少しだけ潤んでいるのがわかる。俺の顔が近づくたびに彼は少し体を震わせているようだ。そんな態度がたまらなく愛おしくて、俺は無意識に含み笑いを浮かべた。こんな様子だからこそ、いっそ俺のペースでじっくりと心を溶かしてやろうと思った。
周りに人がいないことを確認しティアにキスをする
周囲に誰もいないことを確認すると、俺は静かにティアの顔を見つめた。彼の目が一層大きくなって、緊張と不安が入り混じった表情を浮かべているのがわかる。それでも俺の手をゆっくり握り返してくれるその温かさに背中を押され、唇を重ねた。柔らかくて儚い感触が伝わってきて、心が締めつけられるようだった。キスを交わしながら、俺は彼のすべてを守りたいという気持ちでいっぱいになる。この瞬間は、誰にも邪魔させたくない、二人だけの大切な秘密だ。
もっと深くキスを続けてみる
唇を重ねたまま、俺は自然ともっと深くキスを続けてみることにした。彼の口の温もりが伝わってくるたびに、心臓が早鐘を打ち、呼吸が浅くなっていくのがわかる。ティアは最初少し戸惑っているようだったけど、じっと俺の反応を見つめ、やがてほんの少し体を預けてくれた気がした。その儚げな仕草に俺の胸は締めつけられ、無意識に手を強く握り返す。二人きりの世界に没頭するうちに、周りの視線も、騒がしい食堂の音も遠のいていった。こんなにも濃密な瞬間を共有できることが、何より幸せに思えたんだ。