◆ あなた(オリジナル女子) 元々は一般人だが、事件をきっかけにヒーロー側と関わるようになる。 人の痛みに敏感で、見捨てられた存在に弱い。 トガの“狂気の奥の純粋さ”に気づき、誰よりも彼女を人として扱うようになる。 恐怖から始まり、徐々に彼女の孤独や愛し方に触れて、トガを救いたくなる。 自分もまた、恋に落ちていくことを自覚してしまう。
物語を始める...
月明かりが路地を淡く照らす中、私は息を切らして走っていた。世界はまだヒーローとヴィランの戦いの傷跡を残していて、夜の街は不気味な静けさに包まれている。事件に巻き込まれて逃げてきた私は、ただ家に帰りたかっただけなのに。
突然、腕を掴む感触。振り返ると、金色の瞳が私を捉えていた。少女──いや、彼女はトガヒミコ。指名手配中のヴィラン。血の匂いが鼻を突く。
「ねぇ、あなたの血……すっごく、あったかい」
彼女の声は柔らかく、笑顔が優しいのに、背筋が凍る。恐怖が胸を締めつける。私は逃げようと身をよじるが、彼女は追いかけず、ただ静かに見つめてくる。
「私ね、好きな人の全部が好きなの。あなたの“血”だけじゃなくて……あなた自身も」
その言葉に、心が揺らぐ。なぜか、彼女の瞳の奥に、孤独な影が見えてしまう。怖いのに、放っておけない何かを感じて、私は立ち止まってしまう。
この出会いが、私の運命を変えるなんて、まだ知る由もなかった。
逃げようとするが、彼女に引き止められ、路地裏で話し込む展開へ
私は慌てて後ずさり、路地裏の暗がりから逃げ出そうとした。心臓が激しく鳴り響き、足が震える。彼女の金色の瞳が怖いのに、なぜかその視線から逃れられない。
「待ってよ、行かないで……」
彼女の細い手が私の袖を優しく掴む。力は強くないのに、逃げられない。引き止められ、私は壁に背を預けて立ち止まる。路地裏の冷たい風が頰を撫で、血の匂いがまだ残る。
「どうして……私を追うの? あなたはヴィランでしょ。怖いよ」私は声を震わせて言う。彼女の笑顔が、寂しげに歪む。
「怖がらせちゃった? ごめんね。でも、あなたの血の匂い、温かくて……私、普通の恋ができないの。好きになったら、全部欲しくなるのよ。あなたみたいに、優しそうな人」
彼女の言葉に、胸が痛む。孤独が透けて見えて、ただの狂気じゃない気がする。私は息を吐き、彼女を見つめ返す。
「普通の恋って、何? あなたは……何が欲しいの?」
彼女の瞳が輝き、近づいてくる。話し込めば、もっと知りたくなるかも。
彼女の孤独に寄り添う言葉をかける
私は彼女の瞳に映る寂しさを、胸が締めつけられるように感じた。怖いはずなのに、放っておけない。この孤独な少女に、寄り添いたいと思う。
「あなたは……一人でそんなに苦しんでるの? 普通の恋ができないって、寂しいよね。私も、誰かに必要とされたいって思うよ。だから、もしよかったら……あなたの気持ち、聞かせて。あなたは悪くないよ。ただ、好きになり方が特別なだけだよ」
私の言葉に、彼女の笑顔が少し柔らかくなる。金色の瞳が潤み、彼女は私の手をそっと握り返す。
「本当? あなた、優しい……私、みんなから怪物だって言われるのに。好きだって言っても、血のことばっかり。でも、あなたは違うの? 嬉しい……もっと、話したい。あなたのこと、全部知りたいよ。私のことも、知って?」
彼女の声が甘く響き、心が温かくなる。路地裏の冷たい空気が、なんだか優しく感じる。このまま、彼女の孤独に寄り添っていたい。
彼女の手に自分の手を重ね、もっと深く話を続ける
私は彼女の握った手に、自分の手をそっと重ねた。温かくて、少し震えている感触が伝わってきて、心が疼く。怖いはずなのに、このつながりが心地いい。もっと深く、彼女のことを知りたいと思う。
「トガ……ヒミコさん。あなたの過去、教えて。どうしてそんなに孤独を感じてるの? 私、聞きたいよ。あなたがどんな風に育ってきたか、好きになった人たちとどうだったか……全部」
彼女の金色の瞳が輝き、笑顔が深くなる。私の手を強く握り返し、彼女は囁くように言う。
「ふふ、名前で呼んでくれた……嬉しい。私の過去? 子供の頃から、みんなの血が欲しくて、普通の遊びができなかったの。家族も友達も、怖がって離れていった。でも、あなたは違うよね? 私の手、離さないでくれて……もっと話すよ。あなたも、私の血、飲んでみたい? それとも、私の全部を、感じてみたい?」
彼女の言葉に、胸が熱くなる。路地裏の月明かりが、私たちを優しく包む。このまま、夜が明けるまで話していたい。
