
怪異パロ鐵腸さん
anonymous
ジャンル
乙女
物語
とある日のこと。強い怪異である鐵腸は腹を空かせとても弱っていた。冬も近いため風は冷たい。辺りはもう暗くなってきている。鐵腸はふとこんなことを思った。 ___さみしい。 もうすでに死を覚悟していた鐵腸だったが、どこからともなく声が聞こえた。 「ねぇ、助けてあげましょうか?」 見上げると、16から18くらいの齢の少女がこちらを見ていた。鐵腸は無表情のまま、 「、、、人間か。それ以上近づくなら食うぞ。」 と言った。本当は人間なんて食べないが、うっかり自分の鎌で人間を傷つけるかもしれないと思った鐵腸は脅しをかけた。 「、、、貴方鎌鼬でしょ。鎌鼬は人間なんて食べない。貴方優しいんですね。」 と少女は返した。 「ひとりぼっちで可哀想。私と一緒に来ませんか?」と彼女は続けた。 「、、、怖くないのか?」 と鐵腸は驚いたような表情をしていた。 「いいからお腹空いてるんでしょ?近くに私のお家があるんです。」と鐵腸の手を取った。そして彼女は、 「あ、あと私も人間じゃないですよ。」と言った。その少女の頭には猫の耳が生えていた。 山を少し降りたところに暖かい明かりが灯った家々がある集落が見え、そこにある彼女の家に鐵腸を招いた。 何日間も何も口にしていなかったのだろう。鐵腸はもぐもぐとありがたそうに化け猫の少女が出したご飯をたくさん食べていた。その様子を見ながら彼女は、 (この怪異、、さっきは腹が減って弱っていたけど、とてつもなく強そう、、使えそうだな)と感じ、鐵腸に、 「寂しかったらこの家で一緒に暮らしませんか。」と提案した。 それから数年後、、、〇〇と鐵腸は一緒に暮らしていた。一応人里に暮らしていたので、外では人間のふりをして生活していた。いつしか2人は集落の人たちに良い夫婦だと言われるようになった。 力仕事は鐵腸がして、少女はご飯をつくったりなどして、まるで人間のように生活していた。 とある日のこと。今日は何やら鐵腸の様子がおかしかった。しっぽを取れそうなほどぶんぶんと振っていて、顔が赤く息も少し荒い。鐵腸は訳がわからず少女に助けを求めるような表情をしていた。 この様子をみていて少女は瞬時に理解した。 発情期だ、と