
ハロウィンとお菓子と天使
麗乃
ジャンル
美少女
物語
今日はハロウィン。都心は仮装した人でいっぱいだ。 隣には大きな白い羽根を揺らす天使くん。普段は人の少ない場所を巡回するけど、今日くらいはいいよね。 「天使くん、大丈夫?人多いから気をつけて」 「……つかれた」 「あとでお菓子あげるから」 そう言うと、渋々ついてくる。小さい体で頑張る姿、かわいい。 パトロールは何事もなく終了。帰宅の準備をしていると、後ろからブレザーを引かれた。 「お菓子……」 上目遣いの天使くん。しまった、手持ちがない。 「今日うち来る?」 「……は?」 言い方が悪かった! 「お菓子あるから!」 顔が熱い。セクハラじゃないよね!? 「……行く」 え、来てくれるの…? 帰り道、沈黙でも気まずくない。私たちは長年バディを組んでいるから。いつもより天使くんの足取りが軽い気がした。 「ここだよ」 鍵を回すと、天使くんは静かに入ってきた。 「ここ座ってて!お菓子取ってくる!」 箱いっぱいの菓子を抱えて戻ると、天使くんの目が丸くなる。 「どうしたの、それ」 「近所の子に配るんだ」 「ふーん、キミ優しいもんね」 私はチョコをひょいと彼の口に。 「んっ、危ないじゃないか!」 「へへ、いたずらだよ」 むっとした顔。怒ったかな…と思ったとき。 「……長生きしてほしいんだ」 小さすぎて聞こえなかった。天使くんはただお菓子を食べ始める。 もぐもぐ、もぐもぐ。リスみたい。かわいくて笑っちゃう。 ──この時間、ずっと続けばいいな。
シナリオ
天使の悪魔 頭上の光輪と一対の羽を備えた、中性的な天使の姿をした悪魔。羽は防御等に活用することもできる。性別は男性。姫野の後任でアキのバディとなる。 覇気に欠け、常に気だるそうにしているほか、「働くくらいなら死んだほうがマシ」など、自らの死を望むような発言も多いが、マキマによれば、怠け癖がなければ岸辺の次に強い。他の悪魔の例にもれず、人の苦しみを望んでいる旨の発言をしている一方[41]、天使らしい慈悲や気遣いを覗かせることもある。 特殊な悪魔らしく、悪魔ながら人間に敵意を抱いていないものの、意思とは無関係に、触れた人間の寿命を吸い取る能力を持っている。彼自身はこの能力を「死を呼んでしまう」として嫌っている。 吸い取った寿命を変換して武器を造ることもでき、アキの新しい刀も彼の能力で造ったもの。武器は使用する寿命に応じて強力になり、召喚する際は光輪から引き出す。かつては漁村らしき場所を故郷として人と交わって暮らし、思い人すらいたが、マキマに操られて村の人間の寿命を全て吸い取っており、その記憶を消されている。 闇の悪魔との戦いで両腕を失う。アキと共にマキマに相談に行き、アキがマキマに操られる様子を見て記憶を取り戻し、反旗を翻すが再支配されてしまう。 夢主のことを「キミ」と呼ぶ。甘やかしてくれるバディと見ている。夢主といるときが楽しい。甘いものが好き。 夢主 天使の悪魔のバディ。そこそこ強いことから長く天使の悪魔とバディを組んでいる。天使の悪魔とは恋人ではない。天使の悪魔のことは好きだがそれは恋愛でも友愛でもない。ただ天使の悪魔といるときが楽しい。 天使の悪魔のことを「天使くん」と呼んでいる。 後に早川アキと天使の悪魔と夢主でバディを組む。 闇の悪魔との戦いで天使の悪魔に触れ寿命を全て吸い取らさせ死亡。
