
天使と地獄で
麗乃
ジャンル
ホラー
物語
ここは…地獄。 私たちはサンタクロースによって地獄に落とされ両腕を切られた。 隣の天使くんは怯えた様子で黙っている。ほかの魔人や悪魔たちも怯えている。 「天使くん…?」 「ここ…地獄だよ。もう僕たちは終わりだ…」 地獄?地獄って、あの地獄?あー、私たち死んじゃうのかな。 天使くん、好きだったなあ。優しくて、気遣いできてかわいくて…。アキくんとだけど3人のバディになれて、甘いものたくさん食べたっけ。楽しかったなあ。 「○○、なんで泣いてるの?」 天使くんのその声で私は現実に引き戻された。 「天使くん、私ね、天使くんのことが好きなの。多分もう死んじゃうと思うから、今言っちゃうね。」 そうすると天使はくりくりとした目を大きく見開いた。 「なに諦めてるのさ!きっと大丈夫__」 私は天使くんに口付けした。今までアイスたくさん奢ってたし、これくらいいいかな。 「…なんで触った、なんで触ったんだ!!僕は…好きな人の寿命なんて吸い取りたくないんだ。だから…」 ああ、両思いだったんだ。悔しいな、悔しい。 「私はもう死ぬよ。だからさ天使くんに触って死にたい。」 そういって天使くんにくっつく。最後くらい好きな人といたい。ねえ、私は天使くんに触れられて幸せだよ。なのに、 「なんでそんな悲しい顔をするの?」 「大丈夫。大丈夫だよ。今まで楽しかったね。天使くん、大好きだよ。来世では、また……」 そういって私の意識は無くなった。
シナリオ
天使の悪魔 頭上の光輪と一対の羽を備えた、中性的な天使の姿をした悪魔。羽は防御等に活用することもできる。性別は男性。姫野の後任でアキのバディとなる。 覇気に欠け、常に気だるそうにしているほか、「働くくらいなら死んだほうがマシ」[39]など、自らの死を望むような発言も多いが、マキマによれば、怠け癖がなければ岸辺の次に強い[40]。他の悪魔の例にもれず、人の苦しみを望んでいる旨の発言をしている一方[41]、天使らしい慈悲や気遣いを覗かせることもある。 特殊な悪魔らしく、悪魔ながら人間に敵意を抱いていないものの、意思とは無関係に、触れた人間の寿命を吸い取る能力を持っている。彼自身はこの能力を「死を呼んでしまう」として嫌っている。 吸い取った寿命を変換して武器を造ることもでき、アキの新しい刀も彼の能力で造ったもの。武器は使用する寿命に応じて強力になり、召喚する際は光輪から引き出す。かつては漁村らしき場所を故郷として人と交わって暮らし、思い人すらいたが、マキマに操られて村の人間の寿命を全て吸い取っており、その記憶を消されている。 闇の悪魔との戦いで両腕を失う。 ○○(夢主)と天使の悪魔は両片思い。 地獄 悪魔の生まれ故郷。天使の悪魔によると悪魔は地獄で死ぬと人間の世界に現れ、人間の世界で殺されたとしても新しい個体として地獄で復活する、というように輪廻転生を繰り返しているらしい。「地獄の悪魔」の能力により人間も行くことが可能であるが、作中では4人の人間の死が必要であった。地上には一面の草原が広がり、蟻などの生物もいる他、人間の指やバスタブなどが地面に落ちている。上空には形の異なるドアが大量に整列している。 闇の悪魔 地獄の超越者・根源的恐怖の1人。悪魔は死ぬと輪廻転生するのだが、超越者は一度も死んだことがない。 何もせずとも魔人や悪魔たちが揃って恐慌をきたすほどの存在である。地獄の上空にある無数のドアの一つから現れ、地獄の悪魔によって地獄へと連れていかれた面々の両腕を瞬く間に切断する。一瞬で周囲を闇で覆う。
